2016年06月01日

個性とは

個性とは何でしょうか?
辞書では、「個人または個体・個物に備わった、そのもの特有の性質」、
と説明されています。

日本では個性は肯定的な意味で使用されます。
しかし、個人の特有の性質には、
肯定的なものも否定的なものもあります。
例えば、犯罪者が犯罪を行う能力などの個人の特有の性質は、
個性と考えることは難しいでしょう。

そうすると個性は、個人の特有の性質の全体ではなく、
その一部を指す言葉であることになります。
しかし、近年では障害など従来否定的に考えられてきた個人の特有の性質を、
個性と捉え直そうとする傾向もあります。
そうすると「個性」と「個性ではないもの」の境界線は、
流動的になります。

 

 

個性と学力との関係

では学力、特に低学力は個性でしょうか?
最近では低学力も個性なのではないかという議論があります。
しかし、その評価は慎重にすべきです。

現在の低学力がその個人の特有の性質を現しているとは限りません。
潜在的にはもっと高い学力がある可能性もあります。
勿論、学力には遺伝的要因も関係すると考えられます。
しかし、潜在能力より低い学力は個性とは言い難い可能性があります。
しかし、潜在的な諸能力は、
全面開花させなければならないものではないでしょう。
少なくとも当事者の必要(ニーズ)という尺度を採用すると、
そうなる可能性はあります。