2016年06月01日

教育の経済的価値

教育の価値を経済的に捉えようとするは、
教育投資論です。
教育投資論は、教育という投資によりその人の生産的な能力や資質を向上させ、
経済的価値も向上させることができると考えます。
しかしこの考え方だと、教育の価値は経済的価値に回収されることになります。

 

義務教育

義務教育は全て教育投資論に解消できません。
義務教育には二つの目的があります。
第一に、個人の生活の自立です。
第二に、国民の形成です。

国民の形成は、経済的価値とは直接関係ないかも知れません。
日本の古代史の知識や古文の経済的価値は余り高くないでしょう。
しかし、国民形成上必要になる為、その教育もしています。

 

教育的価値論

堀尾輝久東京大学名誉教授は、
教育には固有の教育的価値があるという立場に立ちます。
教育には、経済的価値などの他の価値に解消出来ない、
独自な価値があるということです。
堀尾教授は、教育を「人間を人間として育成する営み」と考えます。
恐らくJ.J.ルソーの影響を受けています。

しかし、人間観が対立した場合、
教育的価値も分裂する可能性があります。
価値観の多様化も、人間観の多様化を促進します。
そうすると固有の教育的価値は存在するが、
複数存在すると言えるのではないでしょうか。