2016年06月01日

出身家庭と子どもの学力

1980年代、教育学界では文化的再生産論が注目されました。
それは教育制度を通して階層や階級構造が再生産されている、
と主張する理論でした。
日本ではこの研究は試行錯誤しました。

しかし、1995年に教育社会学者の苅谷剛彦・現オックスフォード大学教授が、
文化的再生産論をある程度実証しました。
苅谷教授は、子どもの学力と出身家庭の相関関係を明らかにしました。

勿論、調査結果はオール・オア・ナッシングではありません。
教育学者によっても、子どもの学力と出身家庭との相関関係が見られない事例を、
例外として評価する人とそうでない人がいます。

 

再生産の現状は?

2009年の文部科学省白書は、日本の現状を「国際学力調査によると、
我が国は、諸外国と比較して、
社会的経済的背景が子どもの学力に与える影響は小さい」と評価しました。

しかし、2012年の厚生労働白書は、
「家庭の経済状況の差が子どもの学力や最終学歴に影響を及ぼし、
ひいては就職後の雇用形態にも影響を与えている」と評価しました。

両白書を合わせると、国際的には日本は再生産の度合が小さいのですが、
出身家庭は子どもの学力に影響を与えるということになります。